絵コンテだと作品の監督と一度、絵コンテ打ち合わせをするのみで...(演出家の本音)

職業 演出家
投稿者名 じゃっきぃ(アニメーション演出家)        投稿日時:2017/04/02 07:03:20
年齢 39歳
年収 300万円未満
給料 1 [1点]
やりがい 4 [4点]
労働時間の短さ 1 [1点]
将来性 2 [2点]
安定性 1 [1点]
演出家に対する評価者の属性 現在この職種で働いている
仕事内容の詳細 絵コンテだと作品の監督と一度、絵コンテ打ち合わせをするのみで、あとはただ一人で作業するだけ。
処理演出だと監督との演出打ち合わせのあと、アニメーターとの作画打ち合わせ、作画監督との作監打ち合わせ、レイアウトや原画のチェック、美術や色彩設計(色指定検査)との打ち合わせ、撮影監督との打ち合わせ、編集やアフレコやダビングへの立ち合い、などがある。
この中で最も作業の拘束時間を決定付ける要因が、キャスティングされたアニメーターの良し悪しである。アニメーターというのは、漫画家やイラストレーターと違い、良い意味でも悪い意味でも究極的にはクオリティの責任を負わない。つまり漫画家やアニメーターは、自分自身の作業でクオリティが決定されるのに対して(もちろんアシスタントさんがいたり、行程によりある程度の作業分担もあると思うので一概には言えないかもですが)、アニメーターの場合は最終的には演出や作画監督がクオリティの責任を負うことになる。(というと良いアニメーターの語弊を招きそうなので、ここで言うクオリティとは特に悪いクオリティの場合。)アニメーターは毎日絵を描いてるのだから皆絵が上手いはず、というのは大きな間違いで、世の中にはとてもお金を払うに値しないほど酷い上がりを上げてくるアニメーターが沢山いる。明らかに手抜きと思われるもの(これが一番腹が立つ)や、絵の動かし方が全く分かっていないもの、デッサンすらままならないもの、アニメーターのくせに絵ではなく文字だけで動きを説明しようとするものなど、本気で絵を描くことを楽しんでいないアニメーターがかなり多い。それは何年も続けているアニメーターでも頻繁に見受けられる。アニメーターはどんなに酷い上がりを上げても上げてしまえばそれで終わりだが(そういう場合はたいていリテイクにしても改善される見込みがない、もしくはリテイク指示を書くだけで時間が掛かるのでリテイクにすること自体を諦めることが多い。)演出や作監はそれを何とか使えるものに仕上げ切らなければならない。
その場合、演出なのにアニメーターの上がりを全て最初から描き直すこともしばしばである。(それでもギャラは演出料として支払われるのみで、上乗せは一切ない。)
使えないアニメーターに対して怒りを覚えたことのない演出家は一人もいないだろう。
演出の仕事とはまずマイナスをゼロにすることが第一で、その上でプラスを作っていくようなものである。
この職業のここが良い 自分自身で考えた映像演出を、たくさんの人が視聴してくれて、また、狙い通りウケたときが至高の喜び。
これがこの仕事を続けられる要因の全て。
この職業のここが悪い 昨今、アニメーターの年収が低いことばかりがクローズアップされることが多いが、アニメーターではないアニメーション演出家の収入もかなり劣悪である。
作品や制作会社にもよるが、TV作品の1話数のギャラは、絵コンテでおおよそ23~25万円ぐらい。処理演出とも呼ばれる、クレジットで”演出”と表記される作業に対しては、絵コンテと同額か、1~2万円安くなる。
しかし実作業時間では、例えば絵コンテだと作業期間が3週間しかない、という場合でもタイトではあるが専念すれば可能な範囲。対して処理演出で作業期間が3週間しかないとなれば、スタッフ総出で死に物狂いにならなければ納品できないような地獄を味わうことになる。
統計を取ったわけではないが、おおよそ処理演出期間は6週間から8週間が平均的。
絵コンテが遅れたことにより処理演出期間が短くなったとしても、払われるギャラは絵コンテマンの方が多く支払われることが多い。
また、演出家に限ったことではないが業界自体が完全歩合制なので、40年目のベテラン演出でも1年目のペーペーでも支払われるギャラは同じである。
私個人としては絵コンテも処理演出も両方仕事としてこなしてはいるが、色々な付き合いもあって、処理演出の仕事の割合の方が多い感じ。丁寧な仕事をすることを信条としているので、ありがたいことにそこを制作や監督に買われて、ウェイトの重い回を担当することも多い。一応仕事が途切れたことはないが丁寧にやりすぎるが故に、収入は底辺レベルである。
この仕事でそれなりの収入で、それなりの余暇も確保して末永く続けていこうとするならば、キャスティングされたアニメーターの良し悪しに左右されない絵コンテマンに専念するしかない。
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