病院内救命士業務検査介助、資機材、薬剤の出庫管理、患...(救急救命士の本音)

職業 救急救命士
投稿者名 救命士専門学校って必要なのか?        投稿日時:2018/12/08 20:20:06
年齢 25歳
年収 300万円未満
給料 1 [1点]
やりがい 1 [1点]
労働時間の短さ 3 [3点]
将来性 1 [1点]
安定性 1 [1点]
救急救命士に対する評価者の属性 過去にこの職種で働いていた
仕事内容の詳細 病院内救命士業務

検査介助、資機材、薬剤の出庫管理、患者搬送、病棟応援
この職業のここが良い 無し
この職業のここが悪い これは、救命士を目指した一人の人間の末路です。
これから、救命士専門学校を経て救命士を目指そうという方々へ思い直す一文になれば幸いです。

私は高校を卒業後、2年制の救急救命士専門学校へ入学いたしました。
救命士専門学校では、元救急隊で活躍していた救命士の方々の医学講座、救命活動の実技指導等、救命士としてやっていくための知識と実技を叩き込まれました。
救命活動のシミュレーション実習では体育会系の指導上いたしかたないかもしれませんが、時には手が挙がることも度々あり、私も何度か蹴られる、衣服を破かれる、といった事がありました。(ハラスメントが社会的な問題として認識されてきた現在では大問題かもしれませんね)
それでも、歯を食いしばり、耐え抜きながら、どうにか念願の救命士国家資格を得て学校を卒業する事ができました。

しかし、救命士免許だけ持っていても救命士にはなれません。
救命士免許は消防署内で持っていて、初めて救命士として活躍できるのです。
つまり、消防署の試験を突破することが本当の救命士としての始まりです。

消防試験までは卒業後に期間がありましたので、私は学校の推薦をいただき、ある3次救急病院の救命士として1年間だけの契約でERスタッフとしての勤務することにしました。
面接でERスタッフとして医療の最前線の現場で働いていたというアピールをしようと当時の私は考えていたのです。
病院内救命士の私に与えられた仕事は、主に検体採取の介助、病棟搬送、病棟応援、薬剤の出庫管理、資機材チェック、心肺停止患者に対する胸骨圧迫(要するに心臓マッサージ)大きく分けるとこの程度で言ってしまえば医師や看護師の介助ばかりです。
それもそのはず、救急救命士は病院前救護、すなわち病院に到着するまでに行う応急処置が使命であり治療が目的ではありません。(むしろ、救命士の行う医療行為は極々1部に限定されており、独断で医療行為をすれば法律違反で捕まります)
病院内ではすでに「医療行為の出来る」スタッフが揃っているため、自分たち救命士に出来ることというのは、スタッフの皆様の介助しか残されていないのです。
当然ですがその程度の業務しか出来ないので給与なども、手取りで16万もいきません。
それでも、多くの症例の対応や実際の人間への心臓マッサージだったり、病院の支援もあって救命士に必要な初期診療技術のプロバイダーの認定を取得するなど、得るものもありました。

そうして、手土産も携えて迎えた消防試験。
全国の消防署の中には高卒枠や大卒枠の他に、救命士枠というものが設けられいる事があります。これは、救命士免許を持った人間のみが応募できる枠であり、救命士免許を得た人間のみが挑戦できる美味しい枠です。(倍率が低くなりやすい為)
自分も当然、この枠で受験をしました。
筆記、体力の1次試験を無事に突破し、迎えた2次の面接試験。
自分自身は淀みなく面接ができ、好感触でした。
面接官からも病院での日々も聞かれたりとやってきたことが無駄ではなかったんだと確信して面接を終え、迎えた結果発表。
自分は不合格でした。
しかし、更にショックな事は全体で最終合格者の中に救命士枠で合格した人間がいなかったことです。
よく、救命士の専門学校の謳い文句に消防に合格しやすくなるといいますが、これが現実でした。(勿論、私自身の力不足もありますが)
その後、私は2次募集のあった消防署(救命士枠はなかったです)にも受験をしましたが、同じく2次の面接で落ちた上に面接官から「下手に知識とやり方を持ってると使いにくい」とまで言われました。
自分が必死になって勉強した事はなんだったのかと。消防はコストを掛けたくはなかったのかと。
全ての自治体の職員が同じ意見だとは思いませんがこの一言がきっかけとなり、今では救命士を諦めて別の業種で働いてます。

しかしながら、救命士からの転職というのは中々、一般企業で活躍するスキルではありませんので、当時まだ20代前半で「若さ」という絶対的アドバンテージを持ってしても就職に苦労しました。(面接で話のタネにはなりましたが、それまでです)
最初は病院就職も考えましたが、出来る業務の狭さから一人でご飯を食べるだけで精一杯の給与しか出ないところが殆どでした。(気になる方は『救命士 求人』で調べてみてください 手取りで20万貰えるところがどれほどあるでしょうか?)
時々、同じ学校を巣立った友人たちとも連絡を取りますが、卒業した同期の内、救命士として活躍している仲間より看護師として再出発したり、私のように畑違いの仕事で活躍している仲間の方が圧倒的に多かったです。

専門学校を経て救命士を目指すという道はかなりの茨の道だと私は思います。(投資費用の大きさと、狭まる進路の選択肢)消防に入所する前から救命士資格を取るメリットを今一度私に教えてほしいくらいです。
高校卒業、大学卒業を控えて消防を受験してからでも消防の体制次第では救命士になるチャンスはあるはずです。(しかも、自分の懐は痛みません)

専門学校の費用に私は300万以上の投資をしています。2年制で300万円以上です。
1年あたりの費用は私立大学に匹敵、ないしそれ以上のお金がかかっています。(今思えば、外部講師の費用だったり、実習の資材、救命士の制服を買わされたりといった費用の積み重ねなんでしょうね)
高校に在学中の方、ここまでのお金を出すなら、もう少しだけお金を出して素直に大学に入学、卒業して「大卒」という肩書を得るほうが救命士の資格の何十倍、何百倍も価値のあるものです。

拙い文ですが、以上になります。
話が右往左往してしまい、まとまりのない文章で申し訳ないです。
高校卒業して間もない当時18歳の子供が味わった計3年間の思い出とその顛末はあまりにも受け止めがたい現実で、思い返しながら書くだけで気分が悪くなります。

私は残念ながら消防勤務の経験はないので、実際の現場で活躍されている救命士の方々の苦労は到底分かるものではありませんが、こと救命士専門学校という体で前途多望な若者を食い物にする組織が許せずに投稿させていただきました。

どうか、この一文で少しでも救命士専門学校に入学する方々を引き止められれば幸いです。
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