・国内外からの依頼を受けての明細書作成・中間処理対応・審判対...(弁理士の本音)
職業 | 弁理士 |
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投稿者名 | 某特許事務所勤務 投稿日時:2021/02/27 14:23:24 |
年齢 | 35歳 |
年収 | 900万円以上1000万円未満 |
給料 | [4点] |
やりがい | [3点] |
労働時間の短さ | [1点] |
将来性 | [3点] |
安定性 | [3点] |
弁理士に対する評価者の属性 | 現在この職種で働いている |
仕事内容の詳細 | ・国内外からの依頼を受けての明細書作成・中間処理対応・審判対応 ・特許調査、知財DD、鑑定 ・知財セミナー講師 など |
この職業のここが良い | ・自己完結型の仕事である ある程度の実務能力を身に付ければ、一人でマイペースに仕事をすることができる。 チームで仕事をするのが苦手な人にとっては、非常に働きやすい環境だと思います。 よく言われることですが、仕事中はタイピング音だけが鳴り響くような環境です。 ・頭脳労働であり、定型的な仕事ではない 頭を使うことが好きな人にとっては、発明の本質を理解して顧客ごとに適した権利範囲を設定したり、 中間処理や審判における反論時に論理を組み立てたり、知的満足感を満たせる仕事ではあると思います。 ※但し、事務所によっては代筆屋として、ひたすら発明を単に文章化して明細書を作成し続けるところもあり、 全ての事務所において、上記のような知的満足感を満たせる訳ではないとは思います。 ・年収1000万円以上も一応可能ではある ※但し、一定以上の条件を満たす必要は、あると思います。 ・弁理士を目指す上で確認しておく必要があると思われる点 最初に、弁理士にはある程度の孤独に耐える力が必要だと、個人的には感じています。 仕事が割り振られた後は、自分一人で仕事をこなしていくことになります。 同僚も自分の仕事を抱えていますから、基本的には仕事中のコミュニケーションはありません。 コミュニケーションがない点に苦痛を感じる人、被害妄想が強く無視されているのではないかと感じる人等は、 精神的に参ってしまう可能性があり、実際にそういった方を見聞きすることもあります。 頭脳労働ではありますが、ある種の楽観性は、孤独に耐える上で重要であると感じています。 次に、頭脳労働は向き不向きが非常に強くでると、個人的には感じています。 自調自考することが好きな人にとっては、この仕事は楽しいと感じられると思いますが、 指示を受けて作業的にこなす方が向いている人にとっては、この仕事は苦痛でしかないと思います。 これらは良い悪いではなく、どんな仕事にもある適性だと思うので、自らの適性を見極める必要があると思います。 この仕事の向き不向きについては、学歴よりも個人の資質によるところが大きいと、個人的には感じています。 |
この職業のここが悪い | ・教育体制の事務所ごとのバラツキが大きい 特に小規模な特許事務所の場合、所員は自分の仕事で手一杯のことが多く、 OJTと書けば聞こえはいいですが、新人は放置され自学自習せざるを得ない場合が多い。 加えて、所員自身が新人の教育経験に乏しく、大した教育は望めない場合が多いです。 未経験で知財業界に入る場合、まずは大企業の知財部に入れるのがベストで、 特許事務所であれば最初は一定規模以上のところを、個人的にはお勧めします。 ・大規模事務所であれば仕事がホワイトな訳でもない しかしながら、大規模事務所の場合、大所帯を養うため、安定的な受注が見込める、 大企業知財部の下請けと化している場合が多いのも事実です。 いわゆる代筆屋の仕事のみで、特定分野のみしか担当経験がなく、単に発明を文章化する仕事しか出来ず、 経験年数は長いにも関わらず、それに見合った実力を身に付けれていない方も、実際いらっしゃいます。 加えて、大企業への依存度が高いと、値下げ交渉や理不尽な依頼を断れず、 結果的として経済的・労働時間的にブラックとなることもあります。 一般論で言えば安定を求め大規模事務所に入りたい気持ちが先行しますが、 必ずしも大規模事務所が理想の職場ではない点に、この業界特有の職場選びの難しさがあると思います。 ・福利厚生はほとんどないに等しい 大企業であれば当然にある、住宅手当、扶養手当、子供手当、退職金などは、多くの事務所では存在しません。 そうすると当然、年収で稼がなければなりませんが、周知のように弁理士の平均年収は700万円程度です。 つまり総合的に判断すれば、経済面での損得は圧倒的に大企業に軍配が上がります。 ・役職なしで年収1000万円以上の壁を超えるのは難しい 一部の弁理士は役職なしでも1000万円以上の高収入なのは事実ではありますが、私の周囲での情報から判断すると、 優良な事務所に、つまり高単価の仕事を受注可能であり、所員へその売上を還元してくれる事務所に、所属している場合、 弁理士個人が自ら顧客を集客できる程度に、実務能力やコミュニケーション能力が非常に高い場合、 深夜までの残業や土日返上は当たり前で長時間労働をしている場合、 のいずれかである場合が多いです。 役職なしでも弁理士で年収1000万円以上が可能であることは否定しませんが、 一定以上の困難性を伴う点は、念頭に入れておくべきだと思います。 役職なしで年収1000万円を超えるには、ある程度の人脈を形成して、いわば生の業界情報を収集し、 所属すべき事務所を見極めることが、目標達成において極めて重要です。 ただ単に実直に頑張ればどの事務所でも達成できるほど、世の中は甘くはないと思います。 ・特許事務所は慢性的な人手不足で労働負荷が解消されない ネット上の情報等から特許事務所界隈のブラックな情報が周知された故にか、 特許事務所を志望する弁理士は減少の一途を辿っています。 その結果、仕事はあるが人はいない状況が常態化しており、かといって事務所存続のためには仕事を断る訳にもいかず、 長時間労働せざるを得ない事務所が多いのではないかと思います。 ・弁理士業はあくまで下請けに過ぎない 弁理士はあくまで代理業であって、本来は企業知財部が内部でも完結可能である仕事を、 人員的・時間的・予算的な兼ね合いから、特許事務所に依頼しているに過ぎません。 もちろん、専門家として尊敬の念を受けて、先生でなければと依頼を受けている方の存在を、否定はしません。 しかしながら、大多数の弁理士は、上記理由から受けた依頼をこなすことになります。 この点を意識し始めてしまうと、モチベーションの維持が難しいところがあります。 実際に理不尽な依頼を受けざるを得ない経験をすれば、否が応でもこの点を実感せざるをえません。 特許事務所の弁理士として働く上で、所詮は下請けであるという事実を、自分は受け入れることができるのか。 それでもなお、知財の専門家としての矜持を保ち続けることが、自分には出来るのか。 特に大企業の研究職等からの転向組は、よくよく熟考を重ねた上で、特許事務所で働くのかを、決めるべきだと思います。 |
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