経験した主な部署【民事立会】 郵便物の処理やコピーと...(裁判所事務官の本音)

職業 裁判所事務官
投稿者名 元事務官        投稿日時:2023/05/19 21:57:44
年齢 33歳
年収 300万円以上400万円未満
給料 3 [3点]
やりがい 1 [1点]
労働時間の短さ 2 [2点]
将来性 1 [1点]
安定性 4 [4点]
裁判所事務官に対する評価者の属性 過去にこの職種で働いていた
仕事内容の詳細 経験した主な部署
【民事立会】
 郵便物の処理やコピーとり、記録の運搬などが主な業務。書記官が書類作成などを行う「事務官」で、裁判所事務官は書記官の指示でルーチン作業を行う「雑用係」という感じだった。
【総務課人事係】
 給与事務や勤務管理事務、採用広報などを行った。伝統的な激務部署で、係長や課長補佐は平日は終電帰りで土日出勤は当たり前、日によっては帰れずビジホ泊りという状況。係長以上は全員独身又は奥さんが専業主婦で、裁判所で出世するには子育てに関わらないことが必須ということを見せつけられた部署だった。
この職業のここが良い ・公務員であることくらい。ただ、他の公務員と比べた裁判所職員の優位点はなく、最近は採用試験合格者から就職先として選ばれないようです(大半の合格者は国家一般職や地方上級にも受かっているのでそちらに就職する)
・書記官になると書記官手当がつき、行政一般職より給与面で有利と言われていましたが、書記官手当の廃止か減額はほぼ既定路線だといわれていました(IT化でそもそも書記官という職種自体が不要になるのではとの話も聞きました)。
・以前は書記官から簡易裁判所判事になる道もありましたが、今は法曹資格を持つ裁判官の退職後の再就職先となっているため書記官から簡易裁判所判事になることはほぼ無理です。
この職業のここが悪い 【育児や介護に配慮や理解がない】
 他の官庁や地方自治体では「10歳までの子を養育する職員の通勤時間は原則45分以内になるようにする」「要介護3以上の親族の介護を行う職員は、本人が希望すれば最寄りの勤務地の勤務とする」「家庭的事情に応じてリモートワークを積極的に利用する。」といった配慮があるようですが裁判所はこのような配慮は全くなく、乳児を保育園に預けている職員が片道2時間以上の通勤を強いられることもざらです(勤務希望地調査で育児を理由に勤務地への配慮を求めても「その事情を適切に検討した結果片道2時間の通勤は問題ないと判断された」と言われる。)。リモートワークに至っては、最近時代の流れに逆行して全面禁止となったようです。
 他の国家公務員と同様の育児・介護のための各種制度がありましたが、勤務時間を短くする育児時間制度を使っても仕事量は減らない(給与は減る)ので短い時間で同じ分量の仕事をしなければならかったり、介護休業を取る職員が出ても欠員補充はないといった状況で、少なくとも現場レベルでは育児・介護と業務の両立に役立つ運用はされていませんでした。
 また、男性の育児休業取得を組織として進めていましたが、1か月(国の統計?にカウントされる最短期間らしい)が通常で、代替人員はなし、引継等の準備は全て取得者が行うのが当然とされていました。そのため奥さんが臨月なのに残業続きとなった、引継準備が忙しくて出産に立ち会えなかったなどの話も聞きました。
 とにかく、管理職や人事担当者に子育て経験者がいない、制度を形式的かつ従前の人事運営に影響を与えないようにしか導入しない、制度利用で出た欠員負担は全て現場に丸投げという状況で、育児や介護に配慮や理解がある職場とは言えませんでした
【職場の雰囲気が非常に悪い】
 事件数の増加や問題当事者対応などでストレスがかかる上、病気休職者や育児時間等取得者の増加で人手が足らず、どの部署も雰囲気どんどんが悪くなっていました。
 仕事の押し付け合いは日常茶飯事でしたし、育児や介護で休みが多い職員や新採職員などへの厳しい対応(いじめレベルのひどいものも)も残念ながら見られました。ただ、個々の職員が特段悪い人というより、長時間通勤の負担や人手不足が現場で対応できるレベルを完全に超えており職場崩壊している状況だっというのが正直な感想です。
【問題当事者から職員を守るという意識がない】
 職員への暴言・暴力が頻発しているのに、組織として一般職を守るという意識も体制もありませんでした(裁判官への暴言等だと大騒ぎになる。)。対応は基本現場任せで、装備は誰も訓練を受けたことのない刺又が訟廷に1本だけ、暴力行為がない限り上司すら何もしません。また、問題当事者対応について上司に相談すると当事者対応ができない無能扱いされるため、ほどんどの職員はとにかく自分レベルで何とかしようとしていました。
【就職を考えている方へ】
・先輩や知人などのつてを使い現役職員から直接話を聞いてください。説明会とかではなく、個人的に疑問点や実情を聞いてください。私は入庁前にこれをしなかったことを本当に後悔しています。大変かもしれませんがあなたの一生に関わることなので是非おすすめします。
・裁判所はもともと、企画や政策立案部署がほとんどない、専門性等では国税専門官や検察庁(給与が高い上、税理士や副検事などになれる)に負ける、一般職なのに転勤が多い、支部が多く長距離通勤となりやすいなど学生に敬遠される要素を多く持っていました。公務員人気の陰りで合格者が就職してくれないためか、ワークライフバランスの充実を声高に「推進」していましたが、現場レベルでは根本的にズレているとしか言いようのない状況でした。
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